2010年02月08日
マダム・ハーディー
■憧れのバラ苗■マダム・ハーディー
             最も美しい白薔薇

Mme_Hardy5.jpg

ダマスク系オールド・ローズ
1832年 フランス


「白いオールド・ローズの中で最高に美しいものの一つ」
という評価があるそうです

原文は
「ワン・オヴ・ザ・モースト・
スパーラティヴリィ・ビューティー・
オヴ・ジ・オールド・ホワイト・ヴァライティーズ」

「スパーラティヴリィ」という単語は
舌を噛みそうですが、「すごいよ〜」という感じが
良くでていますよね!

グラハム・トーマスさんの評価なんです

長く美しいガクに包まれたつぼみから
純白の大きな花が咲きます

カップ咲きで咲きはじめ、やがてフラット咲き
花びらは100枚前後
中心にはエメラルドのグリーン・アイ
レモンの香りの混ざる強いダマスク香があります

淡い緑の卵型の葉 
ふちにギザギザがあって5枚葉だけでなく
7枚葉も出ます

リュクサンブール・ガーデンのキューレターであった
ハーディさんの作品

リュクサンブールの宮殿はルイ13世のお母様にあたる
マリー・ド・メディシスさんが購入した宮殿

もともとはリュクサンブール公爵の住まいであった
建物を改築したのでこの名前がついたそうです

歴代有名居住者のなかには
リシュリュー卿もいらっしゃるみたいです
カーディナル・リシュリューさんですね
これは17世紀のお話

ロベスピエール失脚後のフランス革命期には
総裁政府の権力者が使用し
第一統領になったナポレオンが
住居にしたこともあるそうです
ごーかけんらんの建物なのでしょうね

『マダム・ハーディー』が作出されたのは
ナポレオンが失脚したあとで
フランスに王様が復活した時代

1832年なら王様はルイさんかな?
ルイはルイでもルイ何世じゃなくて
ルイ・フィリップさん

リシュリュー卿、ナポレオン、ルイ・フィリップ
バラに名前を残す人がぞろぞろ登場です!

 
Mme_Hardy4.jpg


ハーディさんはリュクサンブールのガーデンで
毎年たくさんの種を蒔き
新しいバラを生み出しましたが
それらを売ることはなく
すべて他の植物との物々交換をしたそうです

ナーサリー・マンではないので
売るわけにもいかなかったのでしょうか?

リュクサンブールのガーデンを充実させるために
植物増やしを兼ねて、バラの交配に取り組んだ?

ハーディさんの時代はヨーロッパに
四季咲きの遺伝子を持つバラが到着したあとです

リュクサンブールのガーデンでは
チャイナ・ローズやブルボンやノワゼットも
育てられていたらしいです

『マダム・ハーディー』は普通
ダマスクに分類されますが
純粋のダマスクではない雰囲気なんです

整った花型の純白のバラ
ふっくらコロリンのツボミ
これはちょっと純粋ダマスクの特徴とは違っています

他の系統の遺伝子が入っているのかもしれません
チャイナ系かな? ノワゼット系かな?

手元に四季咲きのバラがあれば
交配に使ってみるのが人情というものですよね〜〜〜

美しさピカイチのバラです
欧米では
「作出者が奥様にささげたバラは特にすばらしい」
というのが定説らしいですが
そのことを証明する代表選手はやはりこのバラでしょう

マイ・ローズの一本に超有名&超美麗の
マダム・ハーディーはいかがでしょうか?

スパーラティヴリィな美しさに
ため息ため息の春を迎えることができます

超有名バラが手元にあるだけで
な〜んとなく こころ落ち着き
かつ優雅な気分にもなれますしね


初出2007年9月22日
景色が真っ白になるほどの雪と風
その後 除雪に没頭
ああ地面を掘り掘りしたい
マイ・ローズをいじりたいと思った日に
心に浮かんだのはこのバラでした
地面より高くした花壇(レイズド・ベッド)に植えています
昨年は枝先を地面に突き刺すだけの
無謀・手抜きペギングで
たくさん咲いてくれました
今年も早く会いたいです



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2007年12月23日
カザンリク
■憧れのバラ苗■カザンリク 
             ローズ・オイルの原料のバラ

Kazanlik2.jpg


ブルガリアでバラの香油をとるために
栽培されているバラです

ブルガリアの中央部バルカン山脈と
スレドナ・ゴラ山脈に挟まれた一帯は
『バラの谷』と呼ばれています

世界のバラの香料の7割から8割くらいは
バラの谷で作られているそうです

そのバラの谷で一番大きな町が『カザンラク』

カザンラクというのはもともとは
バラの香油を精製するために使われる
銅製の蒸留釜のことだそうです

釜の名前から町の名前がついたのでしょうか?

ちょっと不思議なのは釜の名前も町の名前も
普通『カザンラク』と表記されるのに
バラの品種名は『カザンリク』と表記されること

う〜ん なぜなんでしょうか???

1キロのバラの香油を取るためには
花びら3トンが必要だと言われています

花の数にすると1000万個以上なのですって!

全部の花がお日様がカッと照りつける前に
手で摘み取られます

香油を採るバラは一季咲きですから
一年一回勝負ですね

ブルガリア全体でどれくらいの香油が
採取されるのでしょうか?

そのために摘みとられる花びらの総量は?

見渡す限りバラ!バラ!バラ!で
あたり一面にダマスク香が満ちているのでしょうね

『カザンラク』の町に咲き誇る一面の『カザンリク』♪

摘み取られた『カザンリク』の花は
銅釜『カザンラク』で精製されて

『カザンラク』の町から
フランスなどに輸出されていきます

『カザンリク』の花は直径7,8センチ

花びらギュウギュウではないです
ギュウギュウでない分だけ
よりいっそう香り立つのかもしれません

直立性の樹形で樹高は2メートル程度

バラの谷では花後に1メートル程度に
剪定するそうです

一季咲きのバラを冬剪定するという
手法もあるのですが
それはガーデンで株全体の形を
美しく仕上げるためのもの

できるだけたくさんの香油をとるためには
できるだけたくさんの花が必要ですから
バラの谷では花後(5月から6月)らしいです

これは毎年の剪定

5,6年に一度は花後に
地際まで切り詰めてしまうのですって!

株の若返りを図るのでしょうね

マイ・ガーデンに『カザンリク』はいかがでしょうか?

一輪の花に顔を近づけて
クンクンク〜ンと香りをかげば
脳内に『バラの谷』の一面のバラの香りが
漂ってきます!


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2007年05月01日
ボツザリス
■憧れのバラ苗■ボツザリス
                                     マダム・ハーディーのライバル!

Botzaris.jpg


『マダム・ハーディ』は
シリアスなライバルを持っている

毎日毎日バラの本を読んでいたら
なんだかショッキングな文章にお目にかかりました

マダムのシリアスなライバルと表現されていたのが
この『ボツザリス』です

おおおおお なんと美しいダマスク・ローズ!

きれいなきれいな飾りガク♪
花びらぎゅぅぅぅぅの白い花♪

もちろん強いダマスク香♪
中心にはボタン・アイがでます

『マダム・ハーディー』は中心にグリーン・アイがでます

これを『マダム・ハーディー』の欠点とする意見が
あります

『グリーン・アイがお嫌いならばボツザリスを!』と
お奨めしたいところですが

『ボツザリス』にもグリーン・アイが出る
という人もいるので

大きな声ではお奨めできません
(小さめの声でお奨め!)

まだ『ボツザリス』にグリーン・アイを
見たことはないのですが・・・
(ブツブツブツ)

ダマスク系のバラは花が終わったら
すぐに剪定してやってくださいね
(↑急に話題を変える!)

夏からしっかり伸びてその枝に
翌春きれいな花を咲かせてくれます

シッカリ伸びるあいだに葉っぱもワシワシ茂ります

日本ではあまり有名ではないけれど
知ってる人は知っている!

麗しのダマスク・ローズ『ボツザリス』を
ガーデンにいかがですか?

ダマスク香に包まれて
至福のひとときをお楽しみください♪


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