2008年01月08日
ティー・ローズの剪定
Freiherr_von_Marschall_1.JPG


【ティー系のバラの特徴】

 花色 ピンク・白のほかに
     イエロー系やアプリコット系など多彩
     ソフトな色合いのものが多い
     稀に赤系のものもある
 
 香り  紅茶の葉っぱの香り(ティー・フレグランス)
     
 樹高 5,60cm程度でコンモリ茂るものから
     1m程度の中型ブッシュ
     つる性のものもある

 葉   7枚葉が多い
      先端が細くなっている涙のしずく型
      緑が濃く厚みもあるが照り葉ではない

 トゲ  サメの背びれ型

 花季  四季咲き(温度と光があれば一年中開花する)

 栽培最適ゾーン ゾーン8から10 (−12℃以上)
            寒冷地では防寒対策必要

Souvenir_de_J_B_Guillot.JPG


【ティー系の剪定の基本】

ティー系のバラは無剪定でも
育てられます

チャイナ系と同様に
茎に養分を蓄えているので
ハイブリッド・ティーのような深い剪定は
しません

栽培する場所にあわせて切り詰めるときも
切りすぎにならないよう注意してください

下にティー・ローズの地域別の
剪定の方法をまとめてみました
この通りにやらないと絶対にダメだ!という訳
ではありません
一応の参考になさってください


Alphonse_Karr10_1.jpg


【ティー系 温暖地の剪定】

折れた枝・枯れた枝・病気の枝は
見つけ次第切り取ります(周年)

爪楊枝より細くて黒ずんでいる枝先は
切り取ります(周年)

枝数が増えすぎて混みあってきたら
古い枝を根元から取り除きます(周年)

大きく育ってきたら
好みの大きさで形良くなるように
軽く切りそろえます(冬剪定)

交差している枝や
へんてこりんな方向に伸びた枝も
切り詰めます(冬剪定)

Mme_Antoine_Rebe6.jpg


ティー系の花はうつむきがちに咲くものが
多いので切り花として使うときは
枝を長めにつけて切らないと
花瓶に生けることができません

採花するときに枝を切るのも
剪定の一種です

しばしば採花で切り詰めていれば
夏剪定は特に必要ありません

ボーボーに茂りすぎるときは
生育期間中でも
交差している枝や
株の内側に向かって伸びている枝を
切って形を整えます

Rival_de_Paestum2.JPG


【ティー系 寒冷地の剪定】

秋から冬にかけてはハサミを入れません

春になって強い霜の恐れがなくなったら
上記の温暖地の剪定と同じように切ります

寒冷地でティー系のバラにハサミを入れるのは
強い霜の降りる6から8週間くらい前までが
安全です

Le_Vesuve2_1.jpg

白とピンク系のティー・ローズは
小型のものが多いです

イエロー系は全般的に大型

19世紀後半以降に作出されたものは
花弁のフチが色濃い覆輪のものもあり
サイズはおおむね中型です

ティー・ローズは種類がたくさんあるので
品種のミクスト・アップ(ごちゃまぜ)状態に
なっていました

アンティーク・ローズ愛好家の力を結集して
間違い訂正の研究が進められています

世界で一番正しい品種が
流通しているのは日本!
という日が来ると素敵ですね





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2008年01月06日
チャイナ・ローズの剪定
Old_Blush7.jpg


【チャイナ系のバラの特徴】

 花色 赤、ピンク、クリーム系
      咲き進むと色が濃くなる
     バラの赤色遺伝子はすべて
     チャイナ・ローズに由来している
 
 香り  強い香りのあるものは少ない
     葉っぱをこすると指に胡椒のような香りが
     残るものもあり
     
 樹高 細枝・直立性のシュラブ
     5,60cm程度から
     1m程度まで

 葉   細長くてぺタッとした質感の葉
      葉脈が目立たない

 トゲ  非常に少なく、茎はツルっとした感じ

 花季  四季咲き(温度と光があれば一年中開花する)

 栽培最適ゾーン ゾーン7から10 (−18℃以上)
                        寒冷地では防寒対策必要
  

Ferndale_Red_China2.jpg


【チャイナ系の剪定の基本】

基本的にはチャイナ系は剪定不要です

もともと気候温暖な地域のバラなので
休眠して冬を乗り切るという仕組みを
もっていません

かなりの低温状態が続かない限り
活動を停止しません

連続した低温状態で活動を停止しても
温度があがるとすぐに活動を再開します

養分は枝に蓄えられたままです
(休眠するバラはクラウンや根に
養分を貯蔵します)

枝に養分があるので
ハイブリッド・ティーのような深い剪定をすると
体調を崩します

下にチャイナ・ローズの地域別の
剪定の方法をまとめてみました
この通りにやらないと絶対にダメだ!という訳
ではありません
一応の参考になさってください


Humes_Blush6.jpg


【チャイナ系 温暖地の剪定】

折れた枝・枯れた枝・病気の枝は
見つけ次第切り取ります(周年)

針のように細くて黒ずんでいる枝先は
切り取ります(周年)

大きく育ってきたら
好みの大きさで形良くなるように
軽く切りそろえます(冬剪定)

交差している枝や
へんてこりんな方向に伸びた枝も
切り詰めます(冬剪定)

夏剪定は特に必要ありません

ボーボーに茂りすぎていたら
交差している枝や
株の内側に向かって伸びている枝を
切って形を整えます


Archiduc_Charles3.JPG

【チャイナ系 寒冷地の剪定】

秋から冬にかけてはハサミを入れません

春になって強い霜の恐れがなくなったら
上記の温暖地の剪定と同じように切ります

寒冷地でチャイナ系のバラにハサミを入れるのは
強い霜の降りる6から8週間くらい前までです

Napoleon9.jpg

チャイナ系のバラは爪楊枝のような細い枝にも
花を咲かせます
切りすぎにご注意ください

漢字の名前のついているバラが
すべてチャイナ・ローズではありません

漢字の名前のバラは正体を確かめてから
剪定するのがよいでしょう



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2007年01月14日
ティー系・チャイナ系の剪定
ティー系・チャイナ系は切りすぎ注意!

これらのバラは枝や茎に養分を蓄えています

厳しい冬を乗り切るために休眠する・・・
ティーやチャイナはもともとその必要がなかったので
養分を地下に送って冬の準備をするというシステムが
発達していない様子です

根っこに養分を移動させていない茎は
冬でも養分タップリ

これを極端に切り詰めると
養分を膨大に奪うことになってしまいます

せっかく蓄えたものを突然奪われて
ショック状態になるようです
強い剪定で体調を崩す場合があります

どちらも四季咲きブッシュ・タイプなので
ハイブリッド・ティーのような
強剪定がよさそうに思えますが

極端な強剪定をするくらいなら
無剪定の方がいいです

ずいぶん前のことですが
ハイブリッド・ティーのように剪定した
『オールド・ブラッシュ』が完全に体調を崩したことが
ありました

まるで失神状態・・・という感じで
春になっても全然咲きません

当時はまだアマチュア
国内の情報だけでは失神状態の原因がわからず
思い切ってARSの相談員の方にメールしました

お答えは
『チャイナは無剪定の方がいいわよん』

プロフェッショナルになった後は
こんなこともありました

研究心旺盛・実験好きのお客様が
同一品種を三本買ってくださって
無剪定・中剪定・強剪定を試してくださったのです

実験検体はティー・ローズでしたが
無剪定が一番成績がよかったそうです
(Kさま 実験とその報告ありがとうございました)

ティー・チャイナは枯れこんだ枝や
へんてこりんな方向に伸びた枝を切り取り
針のように細くなって黒ずんでいる枝先を
切り落とす程度の整枝がベストです

『レディ・ヒリンドン』はちょっと例外で
かなりの強剪定でも大丈夫です

その他の品種も十分に成熟した株ならば
ある程度切り詰めてもOK

貯金がうんとある人はそれがちょっとくらい減っても
問題なし・・・という感じでしょうか?

それにず〜っと無剪定のまま育てると
大きくなりすぎて困ります
こういう場合は切リつめないと仕方ないですね

ティー系・チャイナ系は
枝に養分をたくわえていることを
ちょっと心の隅っこにおいて
ハサミを入れてあげてくださいませ


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