2007年07月07日
オールド・ローズいろいろ
『ラ・フランス』というバラがあります
最初のハイブリッド・ティーです

『ラ・フランス』が発表された1867年を
モダン・ローズとオールド・ローズの区切りとするのが
一般的な分け方です

つまり1867年以前に
作出されたバラのうち
野生のバラを除いたものが
オールド・ローズと呼ばれます

オールド・ローズにはいろいろなものがあります

主なものは
 ☆ガリカ
 ☆☆★ダマスク
 ☆アルバ
 ☆センティフォーリア
 ★★☆ポートランド
 ☆☆★モス・ローズ
 ★★☆ブルボン
 ★★☆ノワゼット
 ★チャイナ
 ★ティー
 ★★☆ハイブリッド・パーペチュアル

☆印は一季咲きの品種です

★印は返り咲きまたは四季咲きの品種

☆☆★印は一季咲きの品種が多いけれど
   返り咲きする品種もあるもの

★★☆印は返り咲きや四季咲きの品種が多いが
   一季咲きの品種もあるもの

一季咲きのバラは春から初夏にかけて
一年分の花を咲かせます

返り咲きのバラは一年に数回花を咲かせます

四季咲きのバラは温度などの条件が整えば
通年花を咲かせる能力を持っていますが
通常は春から秋までの開花です


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2007年04月22日
モダン・ローズPart2 イングリッシュ・ローズ
Charles_Rennie_Mackintosh_2.jpg


モダン・ローズPart1では
ハイブリッド・ティーとフロリバンダをご紹介しましたが
モダン・ローズPart2はイングリッシュ・ローズです

イングリッシュ・ローズ(ER)は
イギリスの育種家デイビット・オースティンさんが
生み出したバラです

イングリッシュ・ローズとしての発表は1969年

現代によみがえったオールド・ローズ

St_Cecilia2_1.jpg


剣弁高芯のハイブリッド・ティーや
房咲きフロリバンダなどの
モダン・ローズだけを育てていると
オールド・ローズというものも気になってきます

ひと昔、ふた昔前はバラと言えばモダン・ローズ

バラの本でもオールド・ローズは
ほんの申し訳程度にしか紹介されていませんでした

ほんのちょっぴりだけの
オールド・ローズの画像をパラパラ見る・・・

Jubilee_Celebration5_1.jpg


うお〜 きれいな花だあ〜とため息をつくと
ああ 一季咲き

ガックリ・・・

これもきれいだぞ〜
やっぱり 一季咲き

また ガックリ・・・

そこに現れいでたる最強のバラが
イングリッシュ・ローズです

イングリッシュ・ローズはため息ものの
きれいなオールド・ローズの花型で
しかも返り咲くのです

Graham_Thomas3_3.JPG


イングリッシュ・ローズは
  ☆花姿ゴージャス

  ☆春以外にもちゃんと咲くものが大半

  ☆ピンク系はもちろんイエロー、アプリコットと花色豊富

  ☆香り濃厚でしかもその種類が多彩
   ダマスク香あり ティー香あり フルーツ香あり
   イエス・キリストの誕生を祝って東方の三博士が贈った
   没薬(もつやく)の香りのバラまであります!

う〜ん すごい!

全般的に丈夫で育てやすいという長所まで
持っています

イギリス人作出のバラですから
名前が99%まで英語で読みやすいというおまけつき♪

『エリーネルーン・アン・シュロス・シャールフェンステン』
なんて気の遠くなるような名前のバラが
実際に存在しますが
ERにはこんな強烈な名前のものはありません
 
 
Gentle_Hermione_1.JPG


そんなにすごいバラならば日本中が
イングリッシュ・ローズで埋め尽くされそうですが
ところがどっこい
そうはなりませんでした

当初はお値段がかなり高めで
しかもあまり市販されていなかったのも
理由のひとつですが

気候冷涼な英国で作られたバラが
日本では巨大化してしまうことがあるのも
理由の一つだと思います

はじめてのバラ栽培に
イングリッシュ・ローズはお奨め!

しかしその品種の大きさについては
事前にチェックする方が良いと思います

最後に一言
オールド・ローズすべてが一季咲きではありません!
オールド・ローズも可愛がってあげてくださいね 
Falstaff3_1.jpg

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2007年04月17日
モダン・ローズPart1 HTとフロリバンダ
誰が見ても『お〜バラだ!』と感じるバラは
中心が高くて花びらがキリキリと巻いた
ハイブリッド・ティーではないでしょうか

『中心が高くて花びらがキリキリ』の花姿を
剣弁高芯(けんべんこうしん)と呼びます

一枚一枚の花びらが外側に反り返り
尖がった形になります
そこで剣のような花びらという意味で剣弁

真ん中が高いので高芯です

Royal_Amethyst2.JPG


ハイブリッド・ティー第一号は『ラ・フランス』

『ラ・フランス』の誕生(1867年)以降のバラを
モダン・ローズと呼びます

モダン・ローズがすべて剣弁高芯の花姿という
わけではなく
花びらの丸いものや中心が盛り上がらない
ものもあります

Elle2.jpg


ハイブリッド・ティーと並ぶモダン・ローズの
代表選手はフロリバンダ

ハイブリッド・ティーのような花が房を作って咲きます

フロリバンダという言葉は
2つのラテン語の単語を組み合わせて作り出されました

『フロリ』が『花』、『バンダス』が『束』

この言葉が作り出される前は
ポリアンサス・ハイブリッドと呼ばれていたそうです

アメリカの大手バラ・ナーサリーのオーナーさんが
ポリアンサス・ハイブリッドという言葉が大嫌いで
たくさんの人に意見を求めて
最終的にはガーデニング・ライターさんの
提案を受け入れてフロリバンダに決めたそうです

ARS(全米バラ協会)はフロリバンダという言葉を 
なかなか認めず正式に認められるまでには
3年の年月がかかったそうです

Sakura_Gai.jpg


いかにもバラらしい大輪のドカンとした花がお好みでしたら
ハイブリッド・ティーを

房咲きでにぎやかに咲くのがお好みでしたら
フロリバンダを選ばれると良いかなと思います

ハイブリッド・ティー(よくHTと表記されます)にも
フロリバンダにも営利栽培の切り花品種があります

切り花品種は花色や花姿は美しいのですが
雨のかからない環境で
綿密な肥料管理と薬剤散布をしないと
きれいに咲かないものが多いです

商品としてステム(花に下の茎の部分)が
スラリと長いことが要求されるので
ガーデンでは大変不恰好な株姿になる場合も
あります

はじめてバラを栽培されるときは
切り花品種は避けて
ガーデン用に作出された品種を
選ぶことをお奨めします


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